【体の「GPS」が狂うとき——仙骨という高次元センサーの話】

前回は、アリとリンゴの話をしました。

2次元のアリには、3次元のリンゴが「謎の現象」にしか見えなかった。でも次元をひとつ上げれば、ただリンゴが通り過ぎただけ。「視点を変えると、不思議が解ける」という話でしたね。

今日は、その「次元の話」が、実は私たちの体の中で起きているというお話です。

キーワードは——仙骨。

「え、仙骨? なんか聞いたことあるような、ないような……」という方がほとんどだと思います。でもこれ、知ると体への見方がガラッと変わります。ちょっとだけお付き合いください。

■ 仙骨って、どこにあるの?

場所は、骨盤のど真ん中。背骨の一番下にある、逆三角形のかたちをした骨です。左右の腸骨(骨盤の大きな骨)と「仙腸関節」という関節でつながっていて、上半身と下半身をつなぐ、体の要(かなめ)のような存在です。

一見、地味です。名前を知らない方も多い。でも役割は、地味どころではありません。

仙骨は、重力を感知して「今、体がどこにあるか」を脳に伝え続けるセンサーです。

スマートフォンのGPSが現在地をリアルタイムで地図に映し出すように、仙骨は「今ここにいる自分」という情報を、脳に絶えずアップデートし続けています。このGPSが正確なとき、体の動きはなめらかで無駄がない。重心が安定して、筋肉が正しいタイミングで動いて、関節に余計な負担がかからない。

でも——これが狂い始めると、じわじわと厄介なことが起きてきます。

■ ぎっくり腰は、本当に「突然」なの?

突然の腰の激痛、いわゆる「ぎっくり腰」。

経験した方なら、あの瞬間を忘れられないと思います。重いものを持ち上げようとした瞬間、朝起き上がろうとした瞬間、くしゃみをした瞬間——「バキッ」という感覚とともに激痛が走る。しばらく動けなくなってしまった、という方もいらっしゃいます。

「何もしていないのに、なぜ?」「昨日まで普通だったのに」——そんな言葉を、診察室でよく耳にします。

でも実は——あれ、突然じゃないんです。

ぎっくり腰を起こした方の体を診ると、ほぼ例外なく、仙骨まわりの「仙腸関節」がほんのわずかにずれています。数ミリにも満たないかもしれない。傍から見ても、ご本人もまず気づきません。

でもそのわずかなズレが、体の「位置情報」を少しずつ狂わせていきます。狂った情報を受け取った脳は、筋肉に微妙な誤作動を起こし続ける。関節に余計な負担が積み重なり続ける。そしてある瞬間——「もう限界」とパンクする。

前回のアリが見た「突然現れた謎の円」、覚えていますか?

高次元では、ずっとそこにあったリンゴ。アリには「突然の謎の現象」に見えたけれど、実はずっと前からそこにあった。ぎっくり腰も、まったく同じです。

「突然」に見えるものの奥には、静かに積み重なってきた時間が流れています。次元の話、あなたの腰の中でも、ずっと起きていたんです。

■ GPSをリセットする

だから私は、痛みが出ている筋肉そのものを直接ほぐすよりも先に、仙骨・仙腸関節の状態を整えることを最優先にしています。

GPSを正しい位置に戻してあげる。

たったそれだけで、体が「あ、ここが自分の場所だ」と思い出すように、余計な力みがすっと抜けていきます。肩の力が抜けて、呼吸が深くなって、「あれ、なんか楽になった」と感じる方がとても多い。

強く押さなくていい。バキバキしなくていい。むしろ、強い刺激は体を余計に緊張させることがあります。

体はもともと、正しい情報さえ届けば自分で整う力を持っています。その力を引き出すために、私はできるだけ小さな刺激で、体が「気づく」きっかけを作ることを大切にしています。

これが、私の言う「リブート」の正体です。

目の前の痛みだけを見て、力づくでなんとかしようとするのは、アリが必死に平面の円をいじろうとするのと同じかもしれません。

一歩引いて、「この痛みの奥に、何があるんだろう?」と問いかけてみること。その小さな視点のシフトが、体が本来持っている「治る力」を引き出す、最初のきっかけになります。

腰の痛みやぎっくり腰のこと、少しでも気になることがあれば、気軽にご相談ください。東札幌・たかばたけ整骨院でお待ちしています

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この記事を書いた人

札幌市白石区東札幌にあります。
ぎっくり腰・坐骨神経痛・自律神経障害・慢性腰痛etcどこにいってもよくならなかった方が集まる整骨院です。 
保有資格:柔道整復師・JSPO-AT・DRTインストラクター
自賠責や労災にも対応
☎:0113765761 
✉:takabatakehone@gmail.com
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