「良い姿勢」を意識するほど疲れるあなたへ。日本人が無理に背筋を伸ばしてはいけない理由

はじめに:その「頑張り」が不調の原因かも?

「姿勢を良くしなさい」「猫背はダメ」 子供の頃からそう言われ続けて、大人になった今も、デスクワーク中にハッと気づいては背筋を伸ばしていませんか?

しかし、あなたが「良い姿勢を意識しているのに、肩こりや腰痛が治らない」「夕方になると背中がバリバリに張る」と感じているなら、それは意識不足ではありません。

もしかすると、「あなたには合わない姿勢」を無理に作ろうとしていることが原因かもしれません。

今日は、最私が考えている「本当に体に優しい姿勢」についてお話しします。


欧米人と日本人、決定的な「骨盤」の違い

実は、日本人と欧米人(白人・黒人)では、そもそも骨格の作りや筋肉の付き方が大きく異なります。その最たるものが「骨盤の傾き」です。

  • 欧米人(狩猟民族ルーツ):骨盤前傾(ぜんけい) 彼らは獲物を追って走る生活に適応したため、お尻がプリッと上がり、背骨がS字に湾曲しています。彼らにとっては「胸を張る・腰を反る」状態が自然なニュートラルです。

  • 日本人(農耕民族ルーツ):骨盤後傾(こうけい) 私たちは田植えや草むしりなど、地面に近い位置で作業をしてきました。そのため、骨盤が少し後ろに倒れ、背中が緩やかに丸まっている状態こそが、最も安定し、身体に負担がかからない「自然体」なのです。

つまり、日本人の多くにとって「背筋をピンと伸ばして胸を張る」という行為は、常に筋肉を緊張させ続ける「不自然なポーズ」を強いていることになります。

※日本人でも欧米人的な動きが楽な方はもちろんいらっしゃいます!少ないですが。

「良い姿勢」の呪縛が身体を壊す

骨盤後傾タイプの日本人が、無理に欧米人のような「良い姿勢」を真似すると、以下のようなトラブルが起きます。

  1. 「隠れ反り腰」による腰痛 本来丸まっているべき腰を無理に反らせるため、腰の骨(腰椎)同士がぶつかり、関節や筋肉に過度なストレスがかかります。

  2. 呼吸が浅くなる(自律神経の乱れ) 背中を緊張させると肋骨が固まり、深い呼吸ができなくなります。常に身体が「戦闘モード(交感神経優位)」になり、リラックスできず、睡眠の質も下がります。

  3. 重心が浮き、疲れやすくなる 骨盤を無理に立てると重心が高くなります。不安定な積み木を筋肉の力だけで支えているようなもので、立っているだけで疲労が蓄積します。

目指すべきは「脱力した安定」

では、日本人はどうすればいいのでしょうか? 答えはシンプルです。無理に抗わず、日本人の身体の強みを活かすことです。

日本人の身体にとっての正解は、見た目の美しさ(直立不動)ではなく、「機能的な後傾」です。

  • みぞおちの力を抜き、少し背中を丸める。

  • お尻を下げ、下腹部(丹田)にドシッと重心を落とす。

  • 股関節を緩め、いつでも動けるようにする。

これは、古武術や着物の所作にも通じる、「最も省エネで、かつ力が出る姿勢」です。

今日からできる!身体をリセットする「ヤンキー座り」

もしあなたが「背中が張って辛い」と感じたら、無理に伸ばすストレッチをする前に、これを試してみてください。

院でもお伝えしているので、その効果は実証済みです!

【完全屈曲(深くしゃがみ込む)】 いわゆる「ヤンキー座り」のように、かかとをつけたまま、お尻が地面につく寸前まで深くしゃがみ込みます。背中は丸まってOKです。

この姿勢は、骨盤後傾タイプにとっての「究極の休息ポーズ」です。 無理に反らされていた腰椎の間が広がり、圧迫されていた神経や血管が解放されます。デスクワークの合間や、お風呂上がりに行うだけで、驚くほど腰が軽くなるはずです。

当院が目指すのは「あなた本来の自然体」

当院の施術では、教科書通りの「まっすぐな姿勢」を押し付けることはありません。

患者さん一人ひとりの骨格やルーツに合わせ、「どこにも力が入っていないのに、楽に立てる位置」を探し出し、そこに身体を調整していきます。

「姿勢を良くしなきゃ」という強迫観念を手放して、「身体が楽になる感覚」を取り戻しに来てください。あなたの身体は、もっと楽になれるはずです。

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この記事を書いた人

札幌市白石区東札幌にあります。
ぎっくり腰・坐骨神経痛・自律神経障害・慢性腰痛etcどこにいってもよくならなかった方が集まる整骨院です。 
保有資格:柔道整復師・JSPO-AT・DRTインストラクター
自賠責や労災にも対応
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